音楽は
より生きるため、
より高めあい、
より開きあうためにこそある。
だからこそ音楽は
個人的でありながら
共同的であり
社会的なのだ。
音楽は人間の肉体に具体的な基礎を有してます。
音楽について本当に理解するためには、
リズムやビートについて真に理解するために自己の肉体を、
ボディムーブメントを理解しなくてはなりません。
注意深く自分の心臓の鼓動を感じ、
また聴き、腕の脈搏を測って学ぶよう努力してほしい。
自分の肉体を学び、
自己の内なるものを見つめてもらいたい。
自分の肉体について無知であってはいけない。
なぜならそれが音楽であろうとなんであろうと、
すべての行為の基礎、
すべての本当のものの基礎だからです。
心臓はスリービート三拍子で鼓動しています。
12拍子を叩けるようになったら、
どんなビートも叩けるようになります。
全ての変化は12をひとつの単位として行われます。
右手は左の大脳に直結し、
左手は右の大脳の指令で動いています。
反復、循環し。
自己の肉体の統一性を知り、
実現するためには、
右半身と左半身がセパレートなものだということを
知らなくてはなりません。
大脳の左葉に連なった右手は合理的でロジカルな動き、
いわば考える手の働きをするのです。
大脳の右葉に連なった左手はもっと抽象的な
いわばクリエイティブなアクションと働きを行ないます。
これらのこともアフリカの伝統的なドラマーたちは
非常に熟知していました。
副交感神経しかり、我々の体の中心で、
2つの系が交差(クロス)しています。
我々の体の機能、体内の組織の位置の示す意味と役割、
それらはすべて具体的で機能的でシステム的です。
無意味なものは何もありません。
ドラムについて言えば、
心臓と血液循環と呼吸に当たる機能を知らなくては
ドラムが本当には叩けないように、
リズムについて知らなければ、
それより難しい次元のトーン(音色)について
知ることはできないのです。
ミルフォード・グレイブス
1977 大阪 間章のコレクティブにて