Prince
先日図書館で借りたプリンスの自伝?
素晴らしいです。
まず自分がPrinceの音楽と出逢ったのは、自分ら世代的には避けては通れないベストヒットUSAという番組で、当時13歳、AlphabetStreetというPVを観て、好みというわけでは無かったが、興味は惹かれ、レンタルCD屋で借りたのをテープに焼き、その当時ハマっていた西村京太郎の列車殺人シリーズのBGMでイヤホンでずっとループして聴いていた。
そのアルバム、LOVE SEXYは数珠つなぎで基本切れ目はなく組曲的な世界観でアルバムを大きな1曲として捉え、味わう、という行為はそこが自分の中では原点だった。
その後ジャパコアのレジェンド、LipCreamのアルバムも組曲的なもので、そこも自分の中では勝手に同じ感覚を感じていた。
ともかくLOVE SEXYは1000回はいかないにしても、相当聴いた。
本当にインスピレーションをもらった。
音楽を聴いて勝手にストーリーを自分なりに当て嵌め、楽しむ、という想像、創造的行為は、他者には伝わらないが、とてもクリエイティブな行為だと思う。
Anyway,
この本を読んで、思い浮かぶのはMoodymannというプロデューサーで、彼のRedBullでのトークは相当面白いから必見なんだけど、そこで彼は、いかに自分が地元であるデトロイトを愛してるかを、地元のブラザー、そしてシスター達を愛しているかを語る。
それが自分的は相当熱いし、実際に福岡で彼と少しDJとして触れ合っただけでも、感じた。
今までいろんないわゆるガイタレという人達とやってきたが、彼は自分の中でも、粋、という観点でずば抜けていて、常に注目せざるを得ない存在。
そんなMoodymannがPrince狂(教)なのは周知の事実なのだが、そのMoodymannが持つ地元愛のスタイルは、やはりPrinceからきているのをこの本で感じたのだ。
まず、19歳で約3200万円の契約金でワーナーからデビューしたPrinceはその契約金で購入した、彼の地元ミネアポリスの家に常にスタジオを完備、その後ペイズリーパークという、スタジオは勿論、おそらくクアトロくらいの規模のコンサートホールまで擁する、まさにパークを作るのだ。
そこにはPrinceの熱狂的なファンが全世界から訪れる。
そうすることにより、周辺のホテルやレストランなど、地域の産業も栄える。
それは、経済効果を地元に産ませるという、なんとも熱いやり方で、彼と全く同期のマイケルジャクソン(ThrillerとPurpleRainは同じ年のリリース)の様に、見かけは白くなったが、PrinceとMichaelの違いは地元があったかどうか、だと感じる。
同じ様にヒット曲を連発し、莫大な利益を作ってきたが、かたやマイケルは、その金の使い道を漠然としたものにしか使えなかった。
Princeはそこら辺、地に足がついてるというか、根が張られている、というか、真の意味でのブラザー&シスター感がある。
その黒人としてのアイデンティティーは、死後、大流出している様々なPVからも感じる。
彼にとって男と女も白も黒も曖昧なもので、そこを愛という観点から捉えることで、破壊と創造をしていたのだと改めて感じる。
具体的には白人の友達も地元にいて、長い付き合いもしていたらしく、それによって黒人の地位も向上した、という実績が、ある意味雄弁に語るのだろう。
兎にも角にも
彼自身が書いた文章が、ものすごく音楽的でグッとクル。
彼のセンスの深淵にまた触れることができて嬉しい限り。
下記はその本からの抜粋。
Enjoy!
君が考えることは全て真実
「すべての生は、女性に由来する。どの王国であってもだ。大切なのはコミュニティで、競争ではない。」
(Prince The Beautiful Ones)
https://youtu.be/-1mhEuj0qvs
R.I.P.