NO.232 グルジェフが語るジャーナリズム

Sep 11, 2019

下記は約100年前に書かれた
グルジェフの本からの一節なのですが、
今のメディアから流される言葉が
いかに弊害を産んでるかは明らかで、
彼の先見性を痛感しました。‬
われわれが得たいのは何のための情報なのか?
是非一読を。



ジャーナリズム

この新しいかたちの文学は黙って見過ごすわけにはいかない。
それが心の発達に何ら貢献しないばかりか、
私の見るところでは、
人間関係に及ぼすその破壊的な影響力によって、
今日の人間生活の根本悪となっているからだ。
この文学形態が最近になってとみに蔓延してきたのは、
それが他の何にもまして人間の弱みや欲望につけ込み、
意志力の欠如に拍車をかけるからだと、
私は信じて疑わない。
そのために、
かつては己れの個性を
少しは認識するのに役立っていた
もろもろのデータを得る最後の望みさえ、
日増しに失われつつある。
ところが、自己完成の過程に必要不可欠な
「自己を思い起こすこと」は、
個性を認識することによってはしめて可能なのだ。

さらに、この無軌道な時事文学のおかげで、
人々の思考機能はいやがうえにも個性を失い、
以前はときおり目覚めていた良心も、
いまでは彼らの思考にのぼることすらない。
このように人間関係という点から見ただけでも、
かつて人々の生活を
多少なりとも満足のゆくものにしていた
諸要素まで奪われてしまったのである。
われわれすべてにとって不幸なことに、
人々の生活の中に年々広がりつつあるこの報道文学は、
ただでさえ弱い人間の心を、
ありとあらゆる欺瞞や妄想に無防備にさらすことによって一層弱め、理性的な思考から遠ざけてしまう。
その結果、人々の心の中には正常な判断力のかわりに、
不信、怒り、恐怖、偽りの羞恥心、欺瞞、自惚れといったような無価値な感情が引き起こされることになるのである。